わたしたち大人ができること

 西宮市プレラホールで行われた 「わたしたち大人ができること」~こどもたちのサインを見逃さないで~ に行ってきました。

 第22回大宅壮一ノンフィクション賞受賞の家田荘子氏が講師ということで、収容人員300名のプレラホールは満員です。

 河野昌弘西宮市長の挨拶のあと、家田荘子氏の講演が始まりました。

 ご自身の小学校時代のいじめ体験から、誰かに話せればよかった日々、あまりに辛かったので、今より少しでもよい生き方がしたいと思って生きてきたと話されます。

 中学時代になると運動部に入り、いじめの日々から離れられたこと、今でもいじめられた日々を忘れることは出来なかったということです。

 また、薬物中毒になった少年の話では、辛い日々から楽になるため、薬物にはまり、母は「やめなさい」というだけで、「なぜ薬物をすうの?」と聴いてくれなかった。隣人に知られるのを恐れず専門家に相談すればよかったが、最終的に母は家を出て、少年自ら救急車を呼ぶに至って単身赴任の父に知られて解決に至ったそうです。何でも話せる家族になることができたとき、やり直せたということでした。

 こどもが親や先生への話し時を失い、「大人とのすきま」ができた時、外の世界の悪い大人に出会ってしまうことが多くなるといっています。

 まわりの人が声かけをして、「あいさつ」を続けることで、こどもは常に大人から見守られているということにつながり、「あいさつ」から「おしゃべり」にかわって、「あの人に話してみようかな」と心を開くことになり、命を救うことになると。

 自分の歩幅で一生懸命はなしを聴いて、いいことは褒め、他の人の背を押すことで、大人と子どもの間の愛情のすきまにきづき、うめることになるという話でした。

 じっくり家田荘子氏の著書にかえってみたいと思える講演でした。